サバット, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=148442 / CC BY SA 3.0
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サバット
サバット(Savate=フランス語で“靴”の意味)は、護身術のひとつ。
ブルボン朝時代にミッシェル・カスーによって体系化され、弟子のシャルルモン・ルクールによってフランスにおいて紳士の護身術として広まった。その後、フランス革命時には革命家たちにも広まった。南フランスでも足技主体の武術である「ショソン」があった。
本来、サバットは離れた間合いにおいて杖(ステッキ)を用いる『ラ・カン」』、互いの手足が届く間合いで打撃を繰り出す『ボックス・フランセーズ』、投げや関節技を含む『リュット・パリジェンヌ』を包含する総合格闘技である。
現代ではボックス・フランセーズの試合が主流であり、これを中心に本項でも解説する。
つま先を使った蹴り技が多い。履いているシューズはボクシングシューズのように柔らかいものではなく靴底などがしっかり作られていて固く、実質この靴を武器として用いる。当時のフランスでは靴にナイフを仕込む輩が多かったので、キックボクシングのように脛で蹴りを受けるとポイントを取られる。使用されるグローブはボクシング用の物とやや異なり、掌底部分と甲にクッションが入っており、これが攻撃を受ける防具の役目も兼ねている。
現代のボックス・フランセーズでは、膝蹴りと肘打ちが使えず、他の近距離で使える足技も2種類あるが技術的に難しい為に、インファイトにおいてはほぼ手技のみで対応することになり、ナックルパート以外での攻撃も禁止なので、接近するとボクシングに近い状態になる。これは、サバットが外出時(スーツを着て靴を履き、手にステッキを持った状態)を想定し、密着時には殴り合いより投げ技を優先する護身術であり、手技はボクシングの技を導入したためである。そのため現代の競技化されたサバットでは、フットワークを使い、遠くからキックで間合いを計りつつ牽制しながら相手の出方を探り、タイミングを見計らって、遠い間合いから一気に跳び込んでパンチで止めを刺す、という戦い方がセオリーとなっている。
本来のサバットは、暴漢が持つ刃物で刺されないようにステッキで牽制し、相手が足が届く間合いに入ってからは蹴りを当て、組み付かれた場合は相手を投げ飛ばすか関節技でダメージを与え、隙があれば逃げるという戦略だった。
キックボクシングの場合、ローキックを打つ時には軸足を返さないので近距離でしか打てないが、サバットの場合、ローキックを打つ時でも軸足を返すので、キックボクシングのローキックよりも遠くの相手に当てることが可能となる。またキックボクシングやムエタイでは蹴りは基本的に脛を当てるものであるため、つま先の蹴りも使うサバットのキックは脛の蹴りよりも遠くに届く。蹴りで主体となるのは『シャッセ』というサイドキックである。
サバットの原型は、18世紀のパリにいた不良がストリートファイトで使う技術である。それをミッシェル・カスーが「サバット」として体系化しパリでジムを開設した。カスーの門下生のシャルルモン・ルクールは普及のためサバットを単なる喧嘩術では無く、紳士の護身術として売り出すため、持っていることの多いステッキを利用した杖術「ラ・カン」を取り込んだ。またサバットの試合で着用するコスチュームはルクールの弟のアンリが宣伝効果を狙って考案したものである。ルクール兄弟の狙いは的中し、サバットは実用性のある護身術として普及していった。
1800年代から英国式ボクシングの手技を導入したことや公式ルールの制定により、護身術から競技へと移り変わっていった。
1985年3月23日に、パリにて11カ国による国際サバット連盟が設立された。ラ・カンを統括するカンヌ・ド・コンバットも合流している。
サバットと似ている格闘技にキックボクシングやムエタイがあるが、膝、肘の攻撃、ナックルパート以外の腕での攻撃(バックブロー等)、靴以外での足の攻撃(脛の部分で蹴る等)、踵落しが禁止されているなど、そのルールにはかなりの差異が存在する。
靴が武器であるサバットでは蹴りを脛で受けない。キックボクシングやムエタイでは蹴りは脛を当てるが、サバットでは靴のつま先を当てる。また、サバットは膝蹴りが禁止されている。逆に他の格闘技では禁止されることが多い関節部分への打撃は有効である。
前述の通り、本来はステッキを併用する総合武術である。
兄弟武術として、バレエのバーレッスンのように手摺に捕まりながら蹴りを放つ「ショソン」がある。これはマルセイユの海賊たちが揺れる船上で戦うために編み出した格闘術であ…

